hp virus胃がんのリスクを高めることに
胃がんのリスクを高めることに
ピロリ菌は正式には“ヘリコバクター・ピロリ菌”と言い、強い酸性状態にあるため、本来、菌が生息できない胃の中に生息しています。
ピロリ菌が胃の中で生息できるのは、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素により、まわりにアルカリ性の環境を作ることができるからです。
このピロリ菌に持続感染することで、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となり、さらに胃がんのリスクを高めることがわかっています。
ピロリ菌の感染経路
昔は井戸水などの生活用水からピロリ菌に感染すると言われていましたが、衛生環境が良くなった今、主な感染経路は父母・祖父母などからの唾液感染(咀嚼した食べ物を与える、箸を共用するなど)とされています。
ただ、ピロリ菌は5~7歳までに感染するリスクが高く、それ以降はほとんど感染しないと考えられており、離乳食を咀嚼して与える習慣がなくなり、また衛生環境が良くなった現在、若い世代での感染は減少傾向にあります。
ですが、若い世代での感染がゼロになったわけではなく、実際、当院でも検査を行ったとこと20代の方で感染を確認した例があります。
hp virusピロリ菌に感染することで起こる病気
慢性胃炎
慢性的に胃の粘膜で炎症が起こる病気で、慢性胃炎の多くはピロリ菌の持続感染が原因だと言われています。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌に感染することで胃の粘液が弱まり、胃・十二指腸で潰瘍(深くえぐれた状態)ができます。
胃がん
ピロリ菌に持続感染すると、慢性胃炎から萎縮性胃炎と進行し、さらに胃粘膜の萎縮が進行すると胃がんを発症しやすくなります。
その他
その他、ピロリ菌の感染は胃MALTリンパ腫、胃ポリープ、特発性血小板減少性紫斑病、機能性ディスペプシアなどの病気と関連があるとされています。
hp virusピロリ菌の検査をおすすめする方
次のような症状がある場合、ピロリ菌の検査をおすすめします。
- 胃痛
- 胃もたれ
- 胃の違和感
- みぞおちのあたりの痛み
- 胸やけ
- 胸や喉のつかえ感
- 食欲低下
- 吐き気
など
こうした場合、ピロリ菌の感染が疑われますが、多くの場合、自覚症状が現れないため、健康診断や人間ドックなどでピロリ菌陽性と言われて検査を受けられる方が多いです。
なので、健診でそうした結果が出た場合には、そのままにせずに大阪市北区・南森町駅にある天神橋みやたけクリニックへご相談ください。
hp virusピロリ菌に感染すると胃がんリスクは約5倍
ピロリ菌に感染した方全員が胃がんになるわけではありませんが、感染した方とそうでない方を比較した場合、胃がんリスクは約5倍高まると言われています。
また、1994年にはWHO(世界保健機関)もピロリ菌を明らかな発がん因子として認めています。
さらに日本ヘリコバクター学会は、ピロリ菌に感染していない方が胃がんを発症する率は1%未満としていて、ほとんどの胃がんはピロリ菌と関連して起こるとされています。
こうしたことから、胃がんを予防するためには、ピロリ菌の検査・除菌治療を受けることが重要となります。